優しいひとづま
実録!見ず知らずの人の理不尽なスリリングストーリー
2025年05月10日 23:01

~以前読んだ本から抜粋~
20歳の時、営業の会社に就職した私。
その日は上司と一緒に、取引先に契約書を持っていく事になっていた。
取引先の最寄の駅で、上司と待ち合わせをするためホームで待っていると、何やら言い争う声が。
顔を向けると、職業が「力士」と言っても違和感のないデブの3人組が、掴み合いの喧嘩を始めた。
巻き込まれたくないので離れようとした瞬間、1人が横にいたデブを突き飛ばした。
吹っ飛ぶデブ。
同時に、私の背中に「どんっ!」と重い衝撃!
159センチの小柄な私は、押し出されるように線路に落下!
突然の事に訳も判らず呆然としていると、
「シュ??????…ゴゴゴゴゴォ……」
何だか音と振動が……。
顔を上げると電車(しかも通過特急)がすぐ近くに来ていた。
その時の私の頭には何故か、
「電車事故で死ぬと、もの凄い慰謝料が掛かる」
と言う友人の言葉がよぎり、やけに冷静にホームに上り、事なきを得たが、目の前に電車のライトが見えた時はマジで、
死ぬかと思った。
その後、駅員が大勢やって来て、3人組と共に連行された。
幸い、多くの目撃証言のお陰で私は無罪放免だったが、上司との待ち合わせには大幅に遅刻。
契約は無事完了したらしいが、私はスーツが破れていたせいで契約の場に立ち会わせて貰えなかった。
翌日、部長に呼び出され、滅茶苦茶説教された挙句、遅刻した理由を聞かれたので正直に説明したが、
「そんな馬鹿な事が信じられると思ってるのか!」
とまったく信じて貰えず、研修期間中にも関わらずクビにされた。
もう一回、死ぬかと思った。
あれ以来、デブを見ると安全地帯を探す妙なクセがついた。
タイトル
「デブの喧嘩の巻き添えでクビ」
でした。
今は2児のママさん、無事で本当に良かった
しかし、理不尽すぎるぅ…
( ???? )
りみか。・°°・(⊃T(ェ)T⊂)・°°・。